高遠のクロモジ 癒やしの空調機器

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千代田湖周辺のクロモジ自生地で林内に注ぐ光の量を調べる東京農大の学生たち=20日午後、伊那市高遠町

伊那市の伊那東部山村再生支援研究会は、同市高遠町の千代田湖周辺に自生する香木クロモジ(クスノキ科)の精油を活用し、癒やしをもたらす空調機器を試作する事業を産学官と連携して始めた。一帯は日本有数の自生地であることが東京農業大学の調査で判明。年内に50台ほどを試作して地元や都市部の病院、集会施設、一般家庭でモニター調査を行い、効果や需要を探っていく。山村を盛り立てる産業へと育てたい考えだ。

6次産業化を加速させる農林水産省の補助事業に採択された。8月下旬に湖周辺の東山生産森林組合所有林でクロモジの資源調査と香料になる枝の採取を実施。20日は2回目の現地調査を行い、東京農大の菅原泉教授=造林学=らが、クロモジの最適な生育環境を探るため、自生地に注ぐ光の量を複数地点で調べた。

カラマツやアカマツも炭にして活用し、クロモジ香料と組み合わせることで性能をより高めたいという。すでに東京農大の施設で精油や炭化の作業を開始。クロモジの枝は400キロ余り持ち込んだ。

研究会は高遠町藤沢の住民らで構成。東京農大や信州大学農学部、市農林部、環境装置メーカーなどの関係者と検討委員会を設けており、高付加価値化や資源管理手法などの調査研究も進めていく。

高級楊枝の材料で、養命酒に入っていることでも知られるクロモジ。菅原教授は「広く分布するが、これほど一斉に大量に自生している場所は見たことがない」とし、研究会の守屋文裕代表=藤沢片倉=は「わが里にある特産クロモジと、多くの方々が求めている癒やしに着目した。ぜひ事業化したい」と意欲を見せている。

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