2018年10月25日付

LINEで送る
Pocket

レイチェル・カーソンは、幼児期からの自然との関わりの大切さを説いた。環境問題の古典的名著「沈黙の春」で知られる米国の海洋生物学者である。「センス・オブ・ワンダー」(佑学社、上遠恵子訳)は彼女の思いが詰まった一冊だ▼センス・オブ・ワンダーとは、「神秘さや不思議さに目を見はる感性」を意味する言葉だという。大人になるとすり減り、失われてしまうこともあるセンス・オブ・ワンダーを生涯持ち続けてほしい―とのメッセージが、詩情あふれる美しい文章でつづられている▼「非認知能力」への関心がにわかに高まっている。粘り強さや自尊心、社交性といった、知能指数(IQ)などでは測れない力を指し、幼児教育でもこうした能力を育む取り組みが広がっているという。子ども主体の遊びで育つとされ、自然との触れ合いも重要だ▼長野県は、豊かな自然環境を生かして保育や幼児教育に取り組む「信州やまほいく(信州型自然保育)」を推し進め、150以上の団体が認定を受けている。この制度の基本理念は、「子どもが本来持っている自ら学び、成長しようとする力を育むこと」だという▼長野県など「自然保育」を推進する全国の16県と94市町村が参加し、22日に「森と自然の育ちと学び自治体ネットワーク」が発足した。こうした活動が全国に広がることで、センス・オブ・ワンダーが養われる機会も増えるだろう。

おすすめ情報

PAGE TOP