諏訪湖貧酸素対策の装置 沿岸域の改善に有効

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今夏に諏訪湖上で実施した湖底への酸素供給の実験=7月31日

諏訪湖の環境改善を目指す住民団体「諏訪湖クラブ」(沖野外輝夫会長)は、湖底に空気を含んだ水を機械の力で送り、水中に溶けた酸素量が極端に不足する貧酸素状態や腐泥がたまる湖底の改善を目指した実験の中間まとめを行った。夏場に水中の表層(上層)と底層(下層)の水温の違いから起きる貧酸素状態に対する実験装置の効果は、「水深4メートル以深の水域全体へは限定的。沿岸域の酸素条件の改善には有効」とした。

実験は昨年夏から、行政、大学、民間事業者の協力を得て諏訪湖沖(岡谷市湊の岸から約600メートル)や諏訪市の初島近くで行った。今年度は県諏訪地域振興局の裁量で執行できる「地域振興推進費」を受けて湊沖で再び実験した。水中からポンプでくみ上げ、独自の装置を通過させて酸素を含む超微細気泡「ナノバブル」の水をつくり、湖底に沈めた散気板から放出する装置を電気で動かして改善を試みた。電源を太陽光発電に切り替え、持続可能なシステムの構築を目指した。

沖野会長によると、散気板からの放出による湖水の酸素を多く含んだ上層と酸素が少ない下層の混合効果はあるが、影響域は狭い。実験装置を使用すれば、ナノバブルによって供給された酸素の残留効果が上がり、底質の改善につながるという。沿岸域での有効性から「沿岸域で数カ所に酸素発生装置を置き、水質改善効果を沖合につなげていく戦略が必要」とした。

電力供給関連を担当した同クラブの磯道善彦さんによると、太陽光発電では予算の関係でバッテリーの台数を抑えたため、発電量に対する蓄電の容量が少なく、装置の稼働に影響した。夏場の暑さ対策の検討も必要という。

実験では公立諏訪東京理科大学(茅野市)工学部の市川純章教授が潜水用の小型無人機(水中ドローン)による湖底撮影を同時並行で実施した。沖野会長は「効果判定に有効」と述べた。

諏訪湖クラブは12月中をめどに最終報告書を県側に提出する予定。同局環境課は「いずれかのタイミングで諏訪湖クラブによる実験結果の報告の機会を設けたい」としている。

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