岡谷聖バルナバ教会 国登録有形文化財へ

LINEで送る
Pocket

文化庁の文化審議会文化財分科会は16日、1928(昭和3)年に建設された岡谷市本町の日本聖公会中部教区岡谷聖バルナバ教会を、国の登録有形文化財にするよう文部科学大臣へ答申した。年度内にも告示される。英国教会の伝統を受け継ぐ構造を有している一方で、かつて岡谷の蚕糸業を支えた「女工」の願いで設けた畳敷きの礼拝堂など、地域の歴史文化を伝える建築物として評価を受けた。

同教会は木造平屋一部2階建ての単廊式教会堂で、建築面積は約121平方メートル。日本聖公会中部教区(名古屋市)が所有する。英国協会カナダ人宣教師のホリス・ハミルトン・コーリー師(1883~1954年)が製糸工場で働く女性信徒のため建設した。

礼拝堂は、工場でいすに座って働く女工たちの「教会に来た時くらいは畳に座りたい」との申し出で、座布団で礼拝できるよう畳敷きに。建物には社寺風の装飾など和の要素も取り入れた。屋根は西洋文化を感じさせる尖塔を切り妻屋根で表現。上下左右に四つの屋根が連山のように見える印象的な立面であることも評価された。

同教会の管理牧師を務める立教大学文学部教授の西原廉太さん(56)は「キリスト教伝道の歴史の中でも、また建築学的にも価値ある教会。重荷を背負った人たちのための教会でもあり、製糸業で栄えた岡谷の産業遺産としての側面もある」とし、国の文化財指定を歓迎する。

岡谷市教育委員会は「岡谷の製糸業を考える上で、女工のための教会という位置付けが強い」と指摘。将来的には「文化財として広く知ってもらえる機会を教会と連携して提供できれば」としている。

登録されれば県内で建造物の国登録有形文化財は530件、岡谷市では24件となる。

おすすめ情報

PAGE TOP