「暗色の色彩家野村千春」展 岡谷美術考古館

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野村千春の魅力を紹介する岡谷美術考古館の企画展

岡谷市の岡谷美術考古館は、開館5周年記念収蔵作品展の第2弾として「暗色の色彩家(コロリスト) 野村千春」展を開いている。生誕110周年にあたる岡谷市出身で春陽会、女流画家協会で活躍した野村千春(1908~2000年)の画業を紹介する。来年1月6日まで。

野村は岡谷高等女学校(現岡谷東高校)時代に美術教師の清水多嘉示にデッサンを誉められたことから絵画の道に進んだ。上京して春陽会研究所で中川一政に師事。画壇や世評に背を向けつつ、自らの信念で独自の絵画表現を確立した。

1931年に春陽会展に初入選し、以後毎年出品。戦後、夫の詩人・巽聖歌と移り住んだ東京都日野市で、大地を題材にキャンバス一面に絵具を何度も塗り重ねた暗色の作品を多く描いた。師の中川は「暗い色調の中から輝く銀や青や黄は、千春女が色彩家であることを示した」と評している。晩年になると画風は暗い色調から鮮やかな色彩へと劇的に転じ、画面に隙間なくちりばめた花の生き生きとした美が大きな特徴だ。

今回の企画展では、1954年に女流画家協会賞を受賞した「丘の上の工場」など、大地を題材とした暗色の作品から、画面いっぱいに黄色い花が咲き乱れる「きいろい花」(1982年)など21点と未完の作品14点、写真やスケッチ、制作道具などを展示する。同館では、「わが道を歩いた野村の作品を理解してもらうために、分かりやすい展示を工夫した。彼女の魅力を多くの人に感じてもらえれば」と話している。

23日午後1時30分から学芸員によるギャラリートークを開く。

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