新田次郎の新資料公開 諏訪市図書館で記念展

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「霧の子孫たち」の校正原稿など新資料6点を初公開している

諏訪市出身の新田次郎(1912~80年)の小説「霧の子孫たち」の校正原稿、新田自身が詠んだ俳句の色紙など、新たな資料6点が諏訪市図書館で展示されている。県内在住者2人が同館に寄贈した資料を中心に初公開。新田が親交のある人に原稿などを手渡し、また、執筆と校正過程がわかる貴重な資料として注目が集まっている。21日まで。

霧の子孫たちは、霧ケ峰の史跡と自然保護のために運動する男たちを小説化した長編。雑誌「文藝春秋」に1970年4月から半年間連載され、同年11月に単行本が刊行された。今回、連載のゲラ刷り127枚分とあとがきの生原稿、単行本の校正原稿を公開。新田と親交があった編集者・ライターの市川一雄さん=下諏訪町=が10月31日に同館に寄贈した。

俳句は、66年に新田が気象庁を退職した際、部下の故宗像明夫さんに贈った2首。この時、小説「おしゃべり窓」の原稿も渡したとされ、長男で信州大学名誉教授の宗像一起さん=松本市=が、神奈川県平塚市の実家の整理中に発見した。同図書館で新田資料を保管していることを知り、7月に小説を寄贈。宗像さん所蔵の俳句も今企画展に合わせて紹介している。

連載のあとがきは、不要な文章や文字は塗りつぶされ、行間に補筆されている。同館によると、本文原稿も同様に校正され、新田の特徴。俳句2首は似ており、どのような意図があり2首とも贈ったのか興味深いという。

今企画は、同館が1918(大正7)年に私立図書館として始まってから100年、現地に移転開館して30年の節目の記念展。郷土の代表的な作家の新田を紹介する。1日の公開初日には宗像さんが来館し、「父から一緒に登山した時の話を聞いていたが、なぜ原稿があるのか不思議だった。興味のある人に見てもらえれば」と話し、連載原稿にも関心を示していた。

同図書館は「新田は親族や親交のある人に原稿などを渡していたと言われている。これらの資料の発見で新田の研究が進むのでは」と話していた。

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