水道事業民営化 諏訪6市町村「導入考えず」

LINEで送る
Pocket

自治体が行う水道事業の運営権を民間企業に委託できる「コンセッション方式」の導入促進を柱とした改正水道法が6日、衆院本会議で可決、成立した。人口減による収益減や施設の老朽化に対し、水道事業の経営基盤の安定化を目的とするが、諏訪6市町村はいずれも「導入は考えていない」(諏訪市)との立場。経営規模の拡大による効率化を目指す広域連携についても慎重な見方で、引き続き各市町村が運営していく。

コンセッション方式について下諏訪町の青木悟町長は「安くておいしい水を守るのは自治体の使命。民営化は考えにくい」とする。他の自治体も「健全経営ができており、職員の不足もない」(茅野市)、「導入の予定はない」(富士見町)、「民営化して料金が勝手に上がっては困る」(原村)との見解。岡谷市は「使用者の負担を最優先とし、慎重に検討する」とした。

事業の広域化については県内で最も料金が安い下諏訪町は「広域化で料金が統一(値上げ)となれば反発が出る」と否定的な立場。県諏訪地域振興局環境課は県水道ビジョンに基づき、諏訪圏域水道事業広域連携検討会を昨年12月に設置したが、現状について「具体的な話はない」とした上で「諏訪地方では広域化が効率化につながるとは限らないのでは」と語った。現段階では検査の共同発注や備品の共同購入などの可能性を探りたい考えだ。

県水大気環境課によると、諏訪地域以外でもコンセッション方式の導入に向けた動きはないという。「県内の地形を考えると、企業側もメリットを感じにくいのではないか」とした。広域化も「すぐに進むとは考えづらい」と述べた。

ただ、水道施設の老朽化は進んでおり、県のまとめでは17年3月末現在で諏訪地方の上水道管路の総延長2212キロのうち法定耐用年数(40年)を超えた管路の割合は10・1%に上り、県平均の9・1%を上回っている。下諏訪町は46%(18年3月末現在)、諏訪市は28%(17年3月末現在)、富士見町は24%(18年3月末現在)で茅野市の8%(同)、岡谷市の6%(同)と比べて高い。

人口減や節水機器の普及に伴う給水量の減少により、料金収入が減る中で水道の安定供給に向けた設備の更新は続く。諏訪地方の水道料金は県内の他の圏域と比べると比較的安いが、自治体によって差があり、近年はそれぞれの実情によって値上げや値下げを実施したり、据え置いたりと対応にも差がある。

おすすめ情報

PAGE TOP