河村学長に聞く 諏訪東理大を来年3月で退任

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インタビューに応じる河村学長

来年3月で退任することが決まった公立諏訪東京理科大(茅野市)の河村洋学長(76)=同市玉川=が13日、長野日報社のインタビューに応じた。今年4月の公立化を踏まえて「次の方に引き継ぐ時期だと思った」と退任の理由を語り、大学院の充実など「学生が参加する研究を盛んにしてほしい」と期待した。

―2008年4月に教授として赴任し、10年4月には学長に就任した。目指した大学の姿は。

大学を呼んでいただいた地域の産業、中小企業の経営、地域社会に役立つ大学にしないといけないと思っていたが、すでに定員を満たしていない状況だった。受験生に目を向けていただく大学にするために高校や地域との連携を進め、研究が外から分かってもらえるような研究を育てた。学長になり1期目の4年間と2期目の1年間は先の見えない時期だった。

―15年9月に地元に公立化の検討を要請した。

この地域にある大学として役割をどう果たしていくかをずっと考えていた時に、天地人がそろって先が見えた。地方創生で地方大学の役割が再認識された「天の時」と、ものづくりが活発な地域に位置する「地の利」、地元の方々(自治体、産業界、住民)の協力、支援、賛同が得られた「人の和」があり、公立化することができた。

―公立化後の変化は。

全国からたくさんの学生が集まり、キャンパス全体が活発化してきた。教員も生き生き活動している。独自の判断ができるようになり、きめ細かい対応ができるようになった。例えば地域連携研究開発機構を作り、大学が活性化する基礎を作った。国際交流でベトナムや米国の大学と提携を結んだ。授業を90分から100分にし、バスや図書館の時間を延長した。学費が安くなり、アルバイトに充てていた時間を学習やクラブ活動に振り向けるようになった。

―公立大の教育方針に「ものづくり」「情報技術」「マネジメント」を掲げた。

特に情報技術についてはAI(人工知能)、IoT(モノのインターネット)が重要視される社会となり、私たちが公立化前から準備してきたことが地域のお役に立つ状況になってきた。

―やり残したことは。

研究は十分に振興するところまではいかなかった。地域連携研究開発機構という仕組みは作った。これを軸として学生を参加させて研究を盛んにしてほしい。研究することは楽しく素晴らしいことだと学生が学び、体験して、大学院に進んで一緒に力を合わせて大学を盛り上げていってほしい。機構では共同研究や受託研究、共同開発の動きが増えている。さらに活発化させてほしい。

―地方大学に求められる役割をどのように考えるか。

幅広く学生を集めて地元にフィットする卒業生を育て、地元に定着してもらうことだと思う。大学も頑張るが、学生が来て「いいところに住むようになった」と思えるようなまちや、「ここで働きたい」と思える産業界の受け皿を、共に作っていくことだと思う。公立化し、諏訪6市町村の組合の大学になった。6市町村と交流し、円滑にできるようになったと思う。

―退任後の身の振り方は。

決まっていない。少し休んでから、(研究分野の)熱工学や流体力学を地域の中で考えたい。涼しく伝統のあるこの地域で過ごさせていただけたらと考えています。

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