八ケ岳の森に巨大球体 カナディアンファーム

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八ケ岳の麓の森に設置された大平さんの巨大球体作品

全国の海岸や都会のビル群の谷間に展示され、最終的な安住の地を求めていた巨大な球体作品が、原村のカナディアンファームの敷地内に設置されることになった。三重県伊賀市にアトリエを構える彫刻家・大平和正さん(75)の作品で、直径約4・1メートル、重さ約21トンの巨大な土の球体。今月搬入作業が行われ、八ケ岳中央高原の静かな森の中に設置された。

大平さんは東京生まれ。武蔵野美術大学彫刻科を卒業後、造園設計を手掛けた。一方で、環境を意識した石や金属などによる彫刻制作も開始。1974年に伊賀の土と出合い、陶(土)による作品の制作も始めた。

創作活動を始めた当初から作品の展示場所は主に野外。自然空間や庭園など開かれた空間の中での「もの」の在り様を、日本の風土に根差した環境造化の観点で、陶、水、金属、石などで幅広い造形活動を行ってきた。

巨大球体作品は、「大地│土からカタチを立ち上げる」という「風還元」の理念に基づいて制作。鉄の骨組みを特殊配合した土で覆う構造。ビルが建ち並ぶ東京都中野区の中野四季の森公園(拡張用地)や、海風や波しぶきが吹き付ける京都府 京丹後市の葛野浜などに設置されてきた。

カナディアンファームへの設置は、2018年に同店で行ったクラフト展に招待されたのがきっかけ。オーナーの長谷川豊さん(64)と価値観も合い、大平さんが巨大球体作品の終着点を求めていたことを知った長谷川さんが、展示を希望したという。

作品は4分割して大型トレーラーで京丹後の浜辺から八ケ岳の麓へと移送され、静かな森の中で再度組み立てられた。周辺整備はこれからで、来年5月頃には公開できるという。

大平さんは「風還元は、その必然から生まれたフォルムである球体を核に表現している。環境への根源的な問いかけがある」と話す。長谷川さんは「森に違和感なくマッチしている。巨大な土の玉が森の中でどのように見えるか、それぞれの目で確かめてほしい」と話している。

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