霧ケ峰の草原再生へ パートナーシップ企業

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霧ケ峰で生物多様性の保全活動を連携して進めようと、県と霧ケ峰自然環境保全協議会、都内に本社を置く2社の計4者が「生物多様性保全パートナーシップ協定」を結ぶ。2社は、シカの食害対策として、県が今夏から霧ケ峰・蛙原(諏訪市)の一部のニッコウキスゲに散布する樹木用忌避剤を製造したり、販売する会社で、実証実験期間の3年間にわたって資金提供も行い、協議会による草原の保全再生活動を後押しする。

林業用薬剤開発製造「保土谷アグロテック」と林業用資材販売「大同商事」で、実験に向けた調整の中で協定の話がまとまった。県は、樹木用シカ忌避剤が草本植物に適用可能か調べるとともに、広報を通じて両社の社会貢献をPRしていく。

地権者など41機関・団体でつくる協議会は、試験地提供などで協力。昭和30年代前半の草原植生に近づけることを目標に、ボランティアを募って外来植物を減らしたり、地表への光を遮るササやススキなどを刈る草原再生作業を継続しており、提供資金を加えて活動に弾みをつける。

県庁で8日、中島恵理副知事と協議会座長の土田勝義信州大名誉教授、各社長が協定書を取り交わす。県自然保護課によると、昨年度の事業開始以降で10件目となるが、諏訪地方の団体が加わる協定は初めてという。

これとは別に、伊藤園(東京)が「お~いお茶」の売り上げの一部を昨年度に続いて霧ケ峰のために寄付しており、県では実証実験経費に充てる考えだ。

協議会の草原再生作業は小規模のモデル区域で5年間継続し、再生効果が表れれば霧ケ峰の他地区に広げることにしている。環境省補助や県支援金で活動費を確保してきたが、期間に限度があり、持続可能な活動に向けた資金調達が課題となっていた。

事務局の県諏訪地方事務所環境課は、企業の支援に感謝し「草原再生の目標に向かって一歩前進する。刈り取った草木の有効利用も再検討できる」と話している。

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