生分解テープでねぐら封鎖 上川でカワウ対策

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テープが巻かれた上川沿いの木

県水産試験場諏訪支場(下諏訪町)などは諏訪湖の水産資源への被害軽減策として魚食性鳥類のカワウのねぐらになりつつあった諏訪市上川の上川右岸の木3本に植物由来のテープを巻く実験を行っている。沢本良宏支場長によると、対策前に約160羽いたカワウはテープを嫌い、ねぐらを移したとみられ、「思った以上の効果」とこれまでの観察を振り返った。

カワウは水辺近くの木をねぐらにしたり、繁殖も行うコロニー(集団営巣地)にしたりして夜間を過ごし、日中をえさ場で過ごす。10年ほど前は南向(吉瀬)ダム(駒ケ根市)など上伊那地方のねぐらやコロニーから諏訪湖を目指し、日没前に戻る個体が多かった。5年ほど前から上川右岸の高さ15メートルほどの木をねぐらにする個体が増え、最近は過密状態になっていた。

実験ではトウモロコシを原料とし、バクテリアによって分解されるテープを使っている。7日にドローン(小型無人飛行機)を使って幅5センチのテープを木1本につき約100メートル分巻き付けた。カワウにとっては木にとまりにくいだけでなく、テープが風になびく際の風切り音を嫌がっている姿が同日夕方から見られ、翌日以降、ねぐらに寄り付かなくなったという。

21日夜もカワウの姿はなかった。

上川からねぐらを移す先とみられていた初島にも手すりなど見た目に影響がない程度にテープを取り付けて風切り音が出るようにしたところ、カワウは寄り付かなくなったという。

ねぐらと諏訪湖の距離が近いと諏訪湖でえさを取る時間が長くなり、えさ場も湖内に集中するため、水産資源への被害が大きくなる。遠方のねぐらを行き来させると、諏訪湖にたどり着く前の水辺に降り立つ個体が現れ、諏訪湖への集中が緩和される。沢本支場長は「カワウをすでにあるコロニーに封じ込めて新たなねぐらやコロニーをつくることを防ぎ、人間と鳥が共存できる環境をつくりたい。諏訪湖のカワウを20羽程度にできれば」と話していた。

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