独自の空き家対策に成果 茅野市上原区

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茅野市上原の国道20号沿いにある住宅地で、倒壊寸前だった古い空き家が解体された。地元の上原区が法定相続人を探して現状を伝え、不動産業者と連携して適切な管理を求めたことで、建物の撤去と土地の売却につながり、新たな土地活用に結び付いた。市都市計画課は「空き家の状況は刻々と変わり、区の協力を得ないと補足は難しい。空き家の発生をどう把握するかも課題だ」としている。

空き家は道路に面した敷地にあり、屋根材に鉄平石を用いた木造2階建ての古い母屋と蔵2棟。30年以上前に住む人がいなくなり、伸び放題となった庭木に覆われ、蔵の一つは2、3年前に朽ち果て倒壊。近隣住民は、空き家にすみついたタヌキやネズミ、越境した樹木の枝に悩まされてきた。大雪などで母屋が道路側に倒壊した場合、大事故につながる危険も指摘され、歴代区長の懸案だったという。

上原区は3年ほど前から相続人探しを開始。区内に残るわずかな情報を手がかりに、空き家に最後に住んだ男性(故人)の子や孫にたどり着いた。メールや電話、手紙で連絡を取り合い、空き家の写真を送って現状を伝えた。昨年春には相続人が同市を訪れ、区役員の案内で現地を見たという。

空き家の法定相続人は県外に住む3人。建物の撤去と土地の売却に向けては、地元の不動産業者が中心となり、相続人全員の承諾を取り付けた。1月下旬から蔵、2月に入って母屋の解体工事が始まった。

解体される母屋を眺めながら、前区長の小池秀雄さん(65)は「心配事が一つ減りました」と笑顔を見せ、若御子勇区長(63)は地域の活性化に期待を寄せた。小池さんは「持ち主や相続人と連絡を取れる状況をつくっておくことが大切だった」と、空き家発生時の早めの対応を教訓に挙げる。

同市が2013年度に行った空き家調査では、空き家と思われる住宅が698戸あった。内訳は「倒壊や建築材飛散の危険が切迫」が117戸、「損傷が激しい」が374戸、「当面の危険性はない」が180戸、「小規模修繕で再利用可能」が27戸。所有者には適切な管理を求める文書も送っている。

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