自家製リンゴでワイン 辰野の久保農園

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リンゴ産地PRへの思いを込めたワインと野澤さん

リンゴ産地PRへの思いを込めたワインと野澤さん

辰野町北大出の久保農園(野澤久美子園主)は、自家製リンゴを使ったオリジナルのワイン造りに取り組んでいる。大きさや形のふぞろいなどを理由に「規格外」となるリンゴを活用し、産地のPRにつなげよう―と2014年の収穫分から商品化。今春には2作目を販売開始した。地元消費だけでなく、県内外への贈答品としても好評を得ており「地域おこしの新たな一手になれば」と希望を膨らませている。

同農園は、農地面積120アールのうち約80アールを占める果樹園でリンゴを栽培。かつては規格外品の多くをジュースに加工してきたが、野澤さん(43)は「品質や味の良さを生かして、他にも付加価値を高められるものを」と考え、大人も楽しめるワインに着目して商品化をスタートした。

伊那市の伊那ワイン工房へ醸造を依頼し、「ふじ」を使って試作的に生み出した14年もののワインは、予想以上の出来。リンゴの持つ爽やかな香りはもちろん、ジュースやシードル、ジャムといった従来の加工品にはない新鮮さも話題を呼んだ。翌年からは、辰野町のふるさと納税の返礼品にも採用された。

15年収穫分の新作は、約200キロの「シナノスイート」を同工房へ持ち込み、フルボトルで187本を醸造。「ワインに適した品種」とイメージした通り、リンゴの香りが程よく立ち、すっきりとした良質の味に仕上がった。グラスに注ぐと、黄金色を帯びた見た目も美しい。

自身が経営する箕輪町沢の飲食店で販売し、ドリンクメニューとしても提供。「甘すぎず、飲みやすい」「料理をうまく引き立てる」と評判で、ワインを味わった人からリンゴに関する問い合わせが寄せられるなど、当初掲げた産地PRの効果を感じさせる好循環も生まれている。

野澤さんは「他の果物や野菜も同じだが、規格外品を無駄にせず、安く、おいしく提供することは生産者の一番の願い」と思いを語る。地元の農村風景を写したラベルを「定番」に、今後も試行錯誤しながらワインを造る考えで「ワインを通じて、辰野町やリンゴの魅力を伝えていきたい」と意気込んでいる。

15年収穫分のワインは、720ミリリットル入り1500円(税別)。「Farmer’s Kitchen 雪・月・花(せつげつか)」で取り扱い、全国発送も受け付ける。月曜、第3日曜定休。問い合わせは同店(電話0265・70・7785)へ。

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