諏訪湖 植物プランクトン発生早く春のよう

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抽出したクロロフィルが入った試験管(左)。奥に計測機=15日、信州大学山岳科学研究所

諏訪湖で植物プランクトンの発生が例年に比べて早まっている。諏訪湖漁業協同組合の関係者は「水の色が例年と違う。春のよう」と話し、武居薫組合長によると、「例年4月頃から増え始める珪藻類が多く出ている」という。信州大学山岳科学研究所(諏訪市湖岸通り)の宮原裕一教授の計測でも例年同時期よりクロロフィル(葉緑体に含まれる緑色の色素)濃度が高い傾向がみられた。水質目標値として新たに設定された透明度にも影響を与えそうだ。

宮原教授は15日、岡谷市の釜口水門近くの水面(表層)で13日午後に採取した湖水をろ過し、アルコールで抽出したクロロフィルを計測機に掛け、得られた数値を基に濃度を求めた。その結果、1リットル当たり55マイクログラムとなった。

同研究所発行の信州大学山地水環境教育研究センター研究報告第11号によると、2012~16年クロロフィル濃度で今回の計測結果と同程度になる時期は、4月上旬から下旬頃となる傾向がみられた。同教授が1月18日に湖心や諏訪市渋崎の湖岸で採取した湖水の計測結果は湖岸が1リットル当たり30マイクログラム、湖心が同40マイクログラムとなり、例年の3月中旬ごろよりも濃度が高かった。同教授も「今年は植物プランクトンの発生が早い」と述べた。

諏訪湖は冬場、プランクトンが減り、透明度が高まる。水の汚れを示す代表的な指標COD(化学的酸素要求量)も低く、夏に比べ水質が改善する。植物プランクトンは春になると増え始め、その後、植物プランクトンをえさにする動物プランクトンの増加とともに減る。プランクトンは魚などのえさになる。水温は2度で例年並みといい、動物プランクトンを調査している県水産試験場諏訪支場によると、動物プランクトンの目立った増加は確認されていないという。

植物プランクトン増加の原因は分かっていないが、今冬は降雪量が少なく、晴れた日が多かったことが影響したとみる向きもある。

長年、諏訪湖を見てきた武居組合長にとっても「この季節の珪藻の増加は経験としてない。季節が前倒しとなり、何かしらの影響が出る懸念もある」と心配した。県諏訪地域振興局環境課は「植物プランクトンの早期の増加は把握しているが、影響については何とも言えない。引き続き推移を見守っていく」としている。

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