長寿命化と安全対策 辰野中の古城のケヤキ

LINEで送る
Pocket

空に向かって枝を伸ばす見事な樹形の「古城のケヤキ」。3月に長寿命化対策が施される

辰野町は3月中旬から下旬にかけて、辰野中学校の校門脇に立つ「古城のケヤキ」の大規模な手入れ作業を行う。学校や地域のシンボルとして親しまれてきたが、老朽化で倒れる危険性が高まったため、全体の枝落としなどを行って安全対策と合わせた長寿命化を図る。手入れ作業により、約40メートルの樹高は半分ほどになる見込み。町と町教育委員会で「堂々としたケヤキの姿を目に焼き付けてほしい」と呼び掛けている。

ケヤキは推定樹齢約300年で、西側の天竜川のほとりに城があったとの伝説が由来。3本が根本で幹を寄せ合い、上空へと枝を伸ばしている。1973年に町天然記念物の指定を受けた。辰野中では、文化祭の名称や校歌の歌詞に「欅」を用いるなど象徴としており、歴代の生徒がケヤキのように真っすぐ生きよう―と愛着を深めてきた。

近年は朽ちた枝が落下するなど樹勢の衰えが心配され、16年2月の樹木医診断で最大約61%の空洞化を確認。町は同年6月、軽量化を目的に剪定をした。18年10月には町文化財保護審議会でさらなる安全措置を求める声が上がり、町教委の意見も踏まえて大規模な手入れを決めた。

作業は、同校の卒業式が行われる15日以降に実施。空洞化が顕著な南側の幹は、状態によっては根本近くまでの伐採も検討する。クレーン車を用いる大掛かりな作業となり、作業時は現場の町道1号(通称・城前線)で通行止め規制を敷く。事業費は約600万円。

町教委は手入れの後も天然記念物指定を解除しない方針で、樹木医と相談しつつ樹形を美しく保つ方法を模索していく。同校では2019年度、生徒とともに作業で切った枝の活用手段を考える。記念品や展示物の製作などをイメージしているという。

宮澤和徳教育長は「辰野中の生徒および卒業生、地域住民にとって特別な存在。樹形が大きく変わるのは残念だが、安全に後世へ残すためと理解してほしい。多くの人がケヤキの下に足を運び、思い出を共有してくれたら」と話している。

おすすめ情報

PAGE TOP