生命に学ぶ 豚飼育に挑んだ上農高生・下

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健康チェックとスキンシップのために続けたブラッシング。みんなが「おいしい」と言ってくれた豚肉は小まめな世話のたまものだ

目標の一つにしていた11月の収穫祭。生徒たちが飼育した黒豚の肉は伝統の豚汁に使われた。脂がおいしく、こくがあるのが特徴とされる黒豚だ。高橋さんは「全部上農産の材料で作った豚汁で、かなりおいしかった。豚肉は脂にくどさがなく、味が良かった」と満足そうだ。

出荷の朝、高橋さんは「今までずっと飼ってきたので、ちょっと寂しい。飼っているうちにだんだんかわいくなってしまって…」と話した。授業で愛玩動物と産業動物の違いを学び、きちんと理解していても、気持ちは複雑だった。

飼育を始めた頃は、近づいただけで怖がって逃げ回っていた豚が、次第に目の前に寝転んで、ブラッシングを気持ちよさそうに受けるようになった。「小まめに豚に接することで穏やかな性格の豚に育てることができた。そして、多くの人に『おいしい』と言われる肉や加工品をつくることができた」と振り返る小野沢さん。おいしさは、一生懸命飼育に取り組んだ成果だった。

同校によると、現在の2年生の中にも、豚を飼育したい―という声があるという。担当する境久雄教諭は「豚は春から飼って、1年で学習完結できるので、施設があって環境が整っていれば教材に適している。ただ、1頭だけ飼育しても赤字覚悟」と話す。

課題研究では超極小養豚農家の経営の可能性を探るため、加工品を校内で販売し、2頭を飼育した場合の収支を計算した。学校で継続的に豚を飼育できるかどうかも検討した。結果は4万円余の赤字。酒井さんは「初めてだったので無駄な費用がたくさんある。来年度、もし豚を飼育するのであれば、今回の費用を基に、どのぐらい豚を飼えばいいのか、いくらで売れば黒字になるのかを考えるといい」と提案した。

2月1日に行われた生物科学科の課題研究発表会では、発表者一人ひとりが豚の世話、解体を手伝ってくれた動物科学コースの仲間、豚の購入や出荷の手配、解体や加工で助言を受けた教職員、業者などに感謝の気持ちを添えた。小野沢さんは「おいしく豚肉を食べてくださった皆さま、本当にありがとうございました」と述べ、高校での3年間の学びを締めくくった。

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