2019年3月3日付

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信号待ちの車の中から、おばあさんが横断歩道を渡っていくのが目に入った。ぼんやり見ていたところ、その人は渡り終えると歩いてきた方へくるりと体の向きを変え、軽くお辞儀しながら手を合わせた。はっとさせられた▼話を伺うと、向き直った先の諏訪大社に手を合わせていたとのこと。近くまで来た折には境内まで足を延ばすのは一苦労なので、いつもそうして日々の感謝の気持ちを表しているのだそうだ。見知らぬ小生から声を突然掛けられたのに迷惑がることなく、「こんなことを聞いてくれる人がいるとは思わなかった」とお礼まで言っていただいた。心が和んだ▼子どもたちにも驚かされる。諏訪市で先月下旬に開かれた「子ども会議」。市内の小中学生が参加して、大切な命を守るために自分たちにできることを行動宣言にまとめた▼「相手の気持ちになって、自分の行いを振り返り、周りを見ることを大切にします」「当たり前のことを当たり前にできることに感謝をする。お互いの考えを尊重し合う話し合いをし、協力し合う。お互いの命を大切に行動し合う」―。わが身を省みたときに、宣言に恥ずかしくない生き方ができているのだろうか▼今ある当たり前は自分一人の力だけで成り立っているのでは決してなく、自分以外のすべての人の支えや善意、労苦があってこそと呼び覚まされる。何事にも感謝する思いを忘れずにいたい。

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