2019年03月07日付

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平成が終わり、新たな時代が訪れようとしている今、空前の「縄文ブーム」が到来しているのはなぜなのだろう。全国各地で縄文をテーマに展覧会などが開かれ、マスコミもあおるかのように取り上げる。SNSでも情報が拡散され、さらにブームは加熱する▼昨年、東京上野の東京国立博物館で開催された特別展「縄文-1万年の美の鼓動」は予想をはるかに上回る人が来場した。縄文ブームに迫る映画も上映され、縄文土器や土偶が海を渡って外国人をも魅了。岡本太郎は縄文文化に影響を受けた芸術家だという▼縄文は長きに渡り続いた争いもない安定した時代だと言われている。生きるためだけに知恵を絞っていたであろう縄文人たち。その縄文人が作った土器や土偶は、現代人には異質であるが、そこには人間の根源に触れる何かがあるような気がしてならない▼縄文の遺物を目にする現代を生きる我々は、その圧倒的な存在感に心を震わせ、ときめかされる。しかし数千年後我々が生きる時代の遺物が発掘されたとき、その時代に生きる人々は心をときめかせてくれるのだろうか▼2体の国宝土偶が出土している茅野市では、2020年の「八ケ岳JOMONライフフェスティバル」の開催に向け動き出したが、ただのイベントで終わることなく、現代人が忘れた「何か」が縄文人の中にあるのならば、過去を生きた縄文人に学ぶ機会であってほしい。

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