酪農に生きる命の輝き 農民文学賞に柴茜さん

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受賞作品の詩集「命のしずく」を手にする柴さん

箕輪町松島の柴茜さん(36)が詩集「命のしずく」で第62回農民文学賞を受賞した。酪農家に嫁ぎ、常に「生と死」と背中合わせの生活を送る中で得た「命の輝き」を自らの言葉で編み、歴史ある賞を手にした。

農民文学賞は、農村を舞台にした小説を主とする作家、和田伝や伊藤栄之助を中心に結成された日本農民文学会が1957年に創設した文学賞。論評、小説、詩の3部門で選考される。応募総数は非公表だが、今回も1次選考を通過した7点(うち詩は1点)から最終選考4点(同)に絞られ柴さんの作品と小説1点の計2点が選ばれた。

柴さんは辰野町出身。大学卒業後、出版社で編集業務に従事。31歳で帰郷し、酪農家の夫と結婚。生活の中での実感を文章にするなど文筆活動を続けている。

昨年、県立図書館を訪れた際に同賞を知り、しゅうとやその父親、夫と引き継がれた「酪農家の魂」や生と死が隣り合わせた世界、4歳になる娘に何か残したい―など、日頃からの思いを、計10編の詩に仕上げた。

いずれも、飼育する牛や家族らも含め「命を輝かせてほしい」の願いを込めた。このうち、「AI」は先進技術は進歩しても、牛の生活は変わらず命の尊さも変わらないと強調。牛の人工受精、人工知能と「愛情の愛」をタイトルに重ね合わせた。

柴さんは「酪農は命をあつかう仕事で、娘にも生まれてきたことへの肯定感を持ってもらえるように何かを残したいと思い初めて詩作し、賞がいただけた」と喜びを表した。その上で「今後も娘やいろんな人たちのための言葉が残せれば。童話にも挑んでみたい」と話していた。

農民文学賞の受賞式は5月19日に東京で開催。受賞作品は季刊誌「農民文学」(春の号、5月発行)に掲載する。

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