2019年03月16日付

LINEで送る
Pocket

親が子どもを戒めることを認める民法の「懲戒権」。「子の利益のため」に限り、親が子どもを懲戒できるとされているが、体罰を容認する余地があるとして見直しが検討されている。しつけと称した深刻な虐待事件が相次いで起きているためだ▼しつけの一環で体罰を容認する人が6割近くに上るという調査結果もある。虐待の素地になっている可能性があり、厚生労働省は「愛の鞭ゼロ作戦」を提唱している。体罰や暴言は一見、効果があるように見えるが、恐怖で子どもをコントロールしているだけだと指摘。最初は愛の鞭のつもりでも、いつのまにかエスカレートし、虐待につながると警鐘を鳴らしている▼千葉県野田市で起きた小4女児死亡事件では父親による執拗な虐待が明らかになった。なぜ自分の子どもにそんな仕打ちができるのか。続報が伝えられるたびに胸がしめつけられる▼ちょうど1年ほど前、東京都目黒区で5歳の女児が両親から虐待を受けて死亡する事件があった。生前、両親に宛てて書かれたというひらがなの「反省文」はあまりにかわいそうで、最後まで読むことができなかった▼悲劇は繰り返された。どちらの事件もおよそしつけとは言い難い非道な行いである。暴力や体罰に頼らない子育てを社会全体で目指していくことはもちろんだが、このような親を生み出す社会の病理にも目を向けていく必要があるのではないか。

おすすめ情報

PAGE TOP