2019年03月17日付

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風向きにもよるが、早朝や夜に電車の音が聞こえてくることがある。線路も、走る列車の姿も見えない場所に、どこからか響いてくるガタンガタン、ゴトンゴトン…という音。リズムがあって、まるで街の鼓動のようだ▼東日本大震災の津波被害で途切れていた岩手県沿岸部の鉄路(宮古―釜石間)が復旧し、その北にある三陸鉄道の北リアス線(久慈―宮古)と南にある南リアス線(釜石―盛)が1本でつながる。23日に開業する三陸鉄道リアス線は延長163キロ。沿岸の10市町村を結ぶ国内最長の第三セクターの鉄路になる▼8年ぶりに列車の音が戻ってくる復旧区間では、開業に向けて試運転が行われているだろうか。運行再開は復興への大きなステップになり、街に響く列車の音や警笛が人々に明るさや元気も運んでくる▼4年前の3月、宮城県女川町にも列車の音が戻った。当時、町社会福祉協議会の会長だった阿部恵子さんが「JRが走っているというのは当たり前の風景だった。それが4年間途絶えていたんです。汽笛を聞き、車体を見ると、やっとここまで来たなという思いでいっぱい」と話していたのを思い出す▼東北地方の沿岸部では復興道路の整備が進み、ずいぶん訪ねやすくなってきた。移動の効率を考えると車は便利でいいが、三陸では列車に乗ってゆっくり景色を見るのもいい。団体ツアー向けに貸切の震災学習列車もあるそうだ。

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