2019年03月21日付

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太陽の光が日に日に柔らかさを増し、目に映る景色は日に日に色を増してくる。鳥のさえずりが鼓膜を刺激し、花のにおいが鼻を突く。肌をさする風は暖かさを増し、五感すべてで春の訪れが感じられる季節になった▼振り返れば今冬は例年にないほど暖かな冬だった気がする。生活に支障を来すような積雪はなく、体が凍えるような寒さも少なかった。昨年12月から今年2月までの平均気温は平年を1・2~0・5度上回るなど、数字でも暖冬だったことが分かる▼日常生活では暖かい冬は大歓迎。しかし暖冬や雪不足で頭を抱えた人もいた。スキー場ではシーズン通して雪不足に悩まされ、暖房器具を扱う家電量販店などは売り上げが伸び悩んだ。農繁期に雪解け水を使う農家も水不足への不安が頭をよぎる▼早い春の訪れは開花も早める。桜のつぼみは大きく膨らみ始め、本格的な春の訪れを予感させているが、桜の観光名所にとっては困りもの。観光ツアーは平年の開花時期から日程が組まれるため、入り込みピーク時に花が散っている事態にもなりかねない。観光業者には頭の痛い問題だ▼しかし春はやはり命が芽吹く季節。寒い冬を耐えた植物が活動を再開するように、人間社会も新入生や新入社員を迎えた新たな日常が動きだす。長年の惰性で新年度を迎えてしまいがちだが、新元号のスタートも控える今、生活を見直すよい機会ではないだろうか。

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