2019年3月24日付

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東京五輪の聖火リレーで使うトーチが発表された。桜の花をかたどって日本らしさを表現。東日本大震災の仮設住宅で使われた廃材も活用している。1年後、福島県を出発し、長野県では来年4月2、3日につなぐ▼長野冬季五輪の自分の記憶を呼び戻してみた。かがり火をイメージした聖火台と古代衣装を着た伊藤みどりさんの点火の場面は鮮明なのだが、トーチは思い出せなかった。調べると、日本古来のたいまつがモチーフで、上からは雪の結晶のように六角形に見えるデザインにしていた▼長野五輪で共感を生んで、聖火のように大切に、五輪開催地へ引き継がれてきたものに「一校一国運動」がある。長野市の小中学校が担当国・地域を学んで理解し、交流して応援した。おもてなし精神に基づいた日本らしい運動とも言える▼いまなお運動を続ける学校もあり、長野五輪を体感できなかった子たちにも異文化理解・交流のバトンがつながれる。無形の五輪遺産だ。東京五輪で各国と交流する地方自治体のホストタウンも、きょう開かれる春の高校伊那駅伝の1校1チーム応援もNAGANOがモデルだ▼1964年東京は競技場や新幹線などをもたらしたが、2020年は教育や産業、健康、共生などあらゆる面で無数の無形遺産が残ってほしい。人口減が一段と加速する五輪後を乗り切るためにも、物質的でなく精神的な豊かさを感じるためにも。

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