2019年3月29日付

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洞、窪、坂―。これらの漢字が付く地名には共通点がある。ほかにも入、島、梅、倉などがある。いずれも災害にかかわる地名に使われているのだそうだ。洞や窪は谷、坂は崖などの意味がある▼地形の特徴を表した地名のほか、災害の痕跡を示している地名もある。字面から想像がつく地名もあれば、同じ読みでも別の漢字が当てられていたり、意味の悪い漢字は無難な漢字に置き換えられていたりすることもある。もちろん災害とは無関係な場合もある▼土石流(鉄砲水)を示す蛇抜や蛇退は県内では26カ所確認されているという。2014年7月に南木曽町読書の梨子沢で起きた土石流災害でも地元では土石流を「蛇抜け」と呼んで恐れていた。先人たちは災害の危険性を地名に込め、後世に伝えようとしていたのである▼そんな古い地名が近年、市町村合併などによって消えつつある。過疎化や人口減少、行政の効率化の影響もあろう。伊那市では古い地名を地域の”遺産”として見直し、公民館分館単位で調査する事業を進めてきた。地域の歴史を記録として残すことはもちろん、住民自身が取り組むことで地域を見つめ直すきっかけにもなったという。今後、地域の学習活動や防災事業での活用が期待されている▼県のホームページでは災害にかかわる地名を紹介している。自分の住んでいる地域の地名と照らし合わせてみるのもいいかもしれない。

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