梵鐘再興へ補強工事 諏訪市南真志野の善光寺

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5月の梵鐘再興に向け補強工事が行われる善光寺の山門

諏訪市南真志野の善光寺(加藤聖麟住職)で、戦時中に供出されていた梵鐘が、5月の大型連休明けに再興される。かつては鐘楼門だった2階作りの山門に設置する。江戸時代に作られた山門のはりにつるすための補強工事が現在行われ、菩提寺に新しい鐘を待ちわびていた檀徒らの喜びが高まっている。

善光寺は645(大化元)年、本田善光が朝鮮半島の百済から送られた仏像を、下伊那の座光寺に祭った後に諏訪に移したと伝わる。のちに長野市に遷座したとされる。

山門は、1826(文政9)年、大隅流の始祖伊藤長左衛門矩重の弟子矢崎久右衛門元形の建造と伝わる。楼上に廻り縁があり、屋根は二重繁垂木の反りが目を引き、数々の彫刻が施されている。1974年に諏訪市の有形文化財指定を受けた。

以前の梵鐘には、供出時の記録から1713(正徳3)年5月の刻字があり、甲府の鋳造師の作。加藤住職(47)は、2004年の晋山以降、年配の檀徒たちから戦争までの鐘を懐かしむ話を聞いていた。檀徒役員や世話人との 会合で話題になる中で、檀徒から 梵鐘寄贈の申し出があり、昨年春から再興に向かった。

新しい梵鐘は直径2尺5寸(約95センチ)、銅とスズ製で重さは135貫(約506キロ)。京都市の業者「岩澤の梵鐘」が製造し、下諏訪町の宮坂建築が施工する。鐘を門の下から突けるように、滑車とロープを設置する予定でいる。

加藤住職は檀家の篤志に感謝し「寺が元の形に戻る。ようやく今まで開いていた穴が埋まり、本当の戦後復興になる」。山門からは、八ケ岳と諏訪平の風光明媚な景色を臨むことができ、「どなたでも新しい梵鐘を突いていただきたい」と話す。

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