2019年04月04日付

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きょうは多くの小中学校で入学式が行われる。新入生にとって、緊張と晴れがましさの忘れがたい一日になるだろう。筆者も中学校の入学式で「すぐ背が伸びるから」と大きな詰め襟を着せられ、恥ずかしかったことを思い出す▼上田市に、戦没した画学生の作品を収めた美術館「無言館」がある。館主の窪島誠一郎さんは、戦没学生の作品を守るだけでなく、今を生きる若者の支援にも力を注ぐ。その窪島さんは若い人に「心の風鈴を鳴らしてほしい」と呼び掛ける。美しいものに触れたときに、チリンと鳴る「心の風鈴」を▼NHKのラジオ深夜便「こころの時代」に出演した際の言葉だ。美しいものを見たとき、感動したとき、心の風鈴が鳴る。「風鈴がリンと鳴るような心こそ、人間としてせっかく生まれてきたのだから、大切だと思うんです」と話していた▼新1年生が生きていく時代は、筆者には想像もつかない。心の風鈴が気持ちよく鳴るような爽やかな風ばかりではないかもしれない。荒々しく苦しい風に揉まれて、風鈴が引きちぎられそうに、けたたましく鳴る日もあるだろう。それもまた良し、だ▼窪島さんは、若者は「心の放浪」が大切だとも言う。失敗したり、迷ったりという「放浪」を積み重ね、「自分にとってかけがえのないもの」を見つけてほしいと願う。放浪が許されるのは若いうちだけ。ともあれ、きょうの門出を祝福したい。

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