2016年06月16日付

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NPOなどが被災地支援のために主催するボランティアツアーに対し、旅行業法に違反する可能性があると、観光庁が周知を求める通知を都道府県に出していたことが報道された。参加者を公募して交通費などを徴収するには、旅行業者としての登録が必要という▼例え実費のみでも、報酬とみなされるらしい。登録を受けていなければ業者にツアーを委託しなければならず、参加費の増加などにつながることで、ツアーを取りやめざるを得ないケースが出てくるとすれば、旅行業の適正化や旅行者の安全確保といった法律の趣旨は分かっても、違和感を覚える▼一方で、都知事の政治資金流用問題に関する「第三者」の調査報告である。報道によると、家族らとの私的な飲食や家族同伴の宿泊、子ども向け漫画本の購入などは不適切としながら、いずれの支出も違法性はない―と結論付けた▼市民の善意で成り立つボランティアツアーの前には法の壁が立ちふさがり、一般庶民の感覚では理解の範囲を超えた公人の行動は法で制限されない。法とは何だろうと考えさせられる▼法は、誰もが人らしく生き、誠実に社会生活を送るためにあると思う。法によっては、時代や状況の変化に応じた改正や柔軟な対応が求められるべきだろう。対して、後を絶たない「政治とカネ」の問題には、政治家が自らを律することができない以上は、厳格な法の適用が望まれる。

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