2016年06月17日付

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題名や内容は忘れてしまったが、古い洋画で少年が父親からナイフを渡される場面を覚えている。正しく使える分別が身に付いたと成長を認める父と、父の思いを受け止める子の信頼が表現された“儀式”のシーンと記憶している▼県内の小学6年生の43・5%、中学3年生の65・9%がスマートフォン(スマホ)や携帯電話を所持している実態が、文部科学省の全国学力・学習状況調査から示された。それぞれ全国46位、45位と下位に位置し、親の機器を使っているケースも含まれるというが、この数字をどう捉えるか。高校生の所持率は99%という別のデータもある▼情報セキュリティー会社トレンドマイクロの調査結果によると、スマホを持つ子どもの保護者の7割以上がウイルス感染や不正サイトへの接続に不安を感じている一方、アプリやサービスの利用を制限しているのは3割程度。さまざまな危険を認識しながら、対策を講じないまま子どもに機器を与えている保護者の姿が浮き彫りになった▼スマホなどの携帯端末をめぐる青少年のトラブルは後を絶たない。ネット用語は難解で取っ付きにくいが、子どもに持たせるのなら、事前に安全対策の知識を学ぶのは少なくとも保護者の責任だろう▼便利で生活を豊かにする半面、使い方を誤れば人を傷つける危険性を併せ持つナイフは、スマホに重なる。与える際には、映画の“儀式”に学びたい。

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