2019年04月13日付

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近寄ってよく見ると、木の幹に緑色系の絵の具が使われていた。「木なのに茶色じゃないね。コケかな…」。隣の絵とも比べてみる。「花のピンク色が同じピンクじゃないよ」。そんな気付きがある授業になった▼伊那市坂下の画廊「はら美術」では9日まで、「さくら・咲く展」が開かれていた。桜をテーマにした絵画展で、全国各地の桜の名所の絵が、タイトル通り満開の花を咲かせていた。近くの伊那小学校から6年生が図工の授業で見学に訪れたのは、市内のあちこちで本物が咲き始めた頃だった▼画廊に展示されていた絵画は60点。商売抜きで子どもたちを歓迎した同画廊の原真一郎さんは、描く人によって着眼や技法が違い、同じ桜を描いても全く別の表現になることを子ども向けの言葉で解説していく。「絵って、どういうふうに描いてもいいんだよ」とも教えた▼鑑賞の仕方のアドバイスが興味深かった。「自分の家とか自分の部屋に、一つだけ飾るならどの絵がいいかな―と考えてみて」という原さんの投げ掛けに、子どもたちは目的を持って鑑賞できたのだろう。間もなく「これが好き」、「これがいいと思う」という声が聞こえてきた▼原さんの投げ掛けには続きがあった。「どうしてこの絵が好きだと思ったか、自分に問い掛けてみるといい」。考えながら見ることで、児童たちは画家の色使いや筆運び、思いまでも感じ取ったようだ。

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