朽ちた2棟撤去 与助尾根遺跡の竪穴住居

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朽ちた2棟の取り壊しが始まった縄文時代の復元住居

茅野市教育委員会は16日、同市豊平の縄文時代中期後半(約4500~4000年前)の集落遺跡で、国特別史跡の「与助尾根遺跡」に復元している竪穴住居2棟の撤去を始めた。現状だと「倒壊する可能性もあり危険で、景観も損ねている」と判断。26日までにカヤぶき屋根(上屋)を取り除き、くぼ地(竪穴部分)のみを残す。

撤去を始めたのは2000年に新築した竪穴住居6棟のうちの南側にある2棟。市教委は2017年7月から、傷みが激しいこの2棟を「廃屋ゾーン」と位置付け、「朽ちていく縄文集落の一場面を生々しく見せる屋外展示物」として、建物内への立ち入りを禁止し展示を続けていた。

同教委によると、2棟の住居脇には大きなクリの木が立ち、日陰になっていたり、風通しも悪かったりして他の住居より腐りが進んだ。

住居のカヤぶき屋根に大きな穴が開き、柱や垂木(たるき)の根元が腐食し突風が住居内に入ると横倒しになる危険性があるほか、「廃屋状態」の住居は「史跡公園の景観を損ね、イメージダウンになる恐れがある」と心配。来場者が増える大型連休前に解体、撤去することにした。

解体作業は尖石縄文考古館職員と、縄文住居の構造などを学ぶ目的などから市縄文プロジェクトに参画している縄文を識(し)る部会メンバーが行っている。

上屋撤去後は当面、くぼ地と中央にある炉を残す。再びカヤぶきの復元住居を建てるか、骨組みだけの構造物を展示するかなど場所も含めて、今後の活用法を史跡整備有識者会議(考古学者や博物館学者、植物学者らで構成)に諮り検討。今年度中に方向性が示される予定という。 

同館によると、これまでの「廃屋ゾーン」設定期間中には、古くなった屋根にできたコケを写真撮影する来場者もいたといい、守矢昌文館長(61)は「(朽ちていく縄文集落の一場面を見てもらうという)所期の目的は達成できたのでないか」としている。

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