2019年04月18日付

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朝の通勤の途中で真新しいスーツ姿の若い男女の集団に出くわした。今春就職したばかりの若者たちが、そろって会社の研修に向かうところだろうか。未知の世界に踏み込む好奇心や希望にあふれた表情が印象的だった▼新社会人の初々しい姿は今も昔も変わらないけれど、企業社会を取り巻く環境は、この四半世紀で大きく変わった。日本的経営の「三種の神器」とされた年功序列は成果主義を受けて後退。海外から注目された終身雇用制も転職の常態化やリストラの横行で事実上崩壊した▼希望の会社に就職できれば一生安泰。そんな考えを持つ人は今や少ないと思う。たとえ、人生を委ねて良さそうなエスカレーターに乗れたとしても、乗り換えが必要になるかも知れないし、定年退職の先にはまた別の乗り換えが求められる▼見方を変えれば、決められたレールの上を進むのではなく、それぞれの考え方や個性を生かした仕事人生を送れるということだろう。一つの道を究めるのも人生。常に新たな道を見つけつつ歩くのもまたそれである▼指揮者の小澤征爾さんはピアニストを志していた少年時代、ラグビーで指をけがしてタクトを持つことになった。喫茶店主だった村上春樹さんはプロ野球のある選手のヒットを見て突然に小説を書こうと決めた。人生はどう流転するのかわからない。今はまず自分の可能性を信じて目の前を一歩ずつ進むことだ。

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