2019年04月19日付

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人の気持を推し量って察するという意味をもつ言葉「忖度」。森友学園問題をきっかけに、最近は耳にする機会も増えた言葉の一つ。2017年には流行語に選ばれた。政界においては再び忖度問題が騒ぎとなり、忖度発言で副大臣が辞任、人の気持ちを推し量れなかった大臣も辞任した▼それまで忖度という言葉すら知らなかった人も多いのではなかろうか。簡単に言えば「相手の求めているニーズは何なのか」という相手の意図や感情を察して予測する事が忖度なのだろう▼自分の意見を互いに言い合う欧米文化においては、はっきりと意見を言わなければ思いは伝わらない。しかし日本人は小さなころから相手の顔色や声色、全体的な雰囲気から相手の気持ちを察する能力が自然と身につく。この相手を思いやる日本人ならではの気遣いが生んだ行為が忖度なのだろう▼だとすると、忖度することは悪なのだろうか。人の気持ちを察することができない人は時に「空気が読めない人」と言われてしまう。政界で問題になったのは忖度する行為ではなく、忖度に至った背景や忖度が招く結果に起因するものなのだろう▼考えてみれば大抵大人ならば日々の生活の中で忖度する場面は多くある。時に忖度だけでなく、相手の心情を酌み取って、それを踏まえた上で言動を控え配慮し、実際に行動にまで移す「斟酌」すらしなければならない場面も出てくるだろう。

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