2019年04月25日付

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信州生まれの人は、あの力強いコーラスが聞こえてくると無意識に呼応してしまう。県歌「信濃の国」だ。県民の誰もが歌えるご当地歌は県外の人にはことに珍しいそうで、かの歌が話題となるたびにふるさと自慢が心の中で頭をもたげる▼諏訪生まれならもう一つ、耳にした記憶があろう郷土歌がある。「諏訪郡歌」といい、その歌詞は信濃の国と同様にふるさとの地勢と暮らしぶりを表し、「文武の道に競いつつ うしろを見せぬ諏訪の蒼生」と諏訪人の気概もうたう▼明治時代の作といわれ、富士見町旧落合小の岩本節次初代校長が作詞し、諏訪高等女学校(現諏訪二葉)の田村幾作教諭が曲を付けた。地域によって認知度は異なるが、富士見小では毎年、運動会で踊って子どもたちは伝統の継承を誇りに感じているそうだ▼そして一昨年、住民の発案でこの歌を使った健康体操を町社協が作った。力強く弾む曲調に乗って動くうちに筋力アップ、骨粗しょう症予防ができるそうだ。お年寄りの間に広まり、今春、県内の「ご当地体操コンテスト」で最優秀賞に選ばれた▼この機に乗じて普及に弾みをつけようと子育て世代に向けた体験会も企画中。「郷土歌なら子どもたちが高齢になる何十年先も住民の健康づくりに役立ててもらえる」と発案者の1人、河角一さん(68)。ふるさとの歌にはいつでも先人から次代への願いがこもっている。

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