2019年04月29日付

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「平成」が幕を下ろそうとしている。この30年間を振り返るとどうしても、相次いだ大災害が脳裏に浮かぶ。震災や豪雨であまりにも多くの人命が失われた▼「荒ぶる災害にどう向かい合うか」。東京大学大学院情報学環特任教授の片田敏孝さんが先日、諏訪市内で講演し、行政に依存するのではなく、自らが判断して主体的に避難行動を取る大切さを説いた▼2011年の東日本大震災の際に、岩手県釜石市の小中学生約3000人のほとんどが津波から逃げて無事だった。片田さんが釜石で04年から取り組んだ防災教育が、この「釜石の奇跡」につながったと言われている。防災教育で片田さんは「避難の3原則」を子どもたちに教えたという▼第1は「想定にとらわれない」。ハザードマップ(被害予測地図)は必要だが、過去の災害に基づいたもので、マップでは被災範囲外でも実際の災害で安全とは限らない―。第2は「最善を尽くす」。いったん避難しても、さらに安全な場所への避難を考える―。第3は「率先避難者となる」。誰も避難しようとしない時、勇気を出して最初に避難することでみんなが続き、他の人も救う―▼「令和」が平穏な時代であってほしいと誰しも願うだろうけれど、大地震はいつやってくるか分からない。豪雨災害は各地で毎年のように起きている。「自分の命は自分で守る」にはどうすればいいのか、改めて考えたい。

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