「美しいひと」刊行 作家の柳谷郁子さん

LINEで送る
Pocket

発刊された掌篇集「美しいひと」

岡谷市出身の作家柳谷(旧姓山岡)郁子さん(82)=兵庫県姫路市=は、掌篇集「美しいひと」を発刊した。文芸同人誌や文学雑誌などに発表した近作を中心に収録。いずれも「人生の一瞬にひそむ妖しい機微。人の一瞬を彩る華のごとき魔性」をにじます17編。このうち「灯」は69年前、湊中学校(現南部中)1年のとき学友会誌に寄稿したもの。「長い間、気になっていた作品」も掲載している。

柳谷さんは諏訪二葉高校、早稲田大学を卒業、文学同人誌「播火」を主宰する。著書は小説、絵本、童謡作詞など多岐にわたり、「諏訪育ち」「われは湖の子」など古里をモチーフにした作品も多い。姫路にあった捕虜収容所の通訳が残した日記を軸に膨大な資料を交え、6年掛けて上梓した長編「望郷―姫路広畑俘虜収容所通譯日記」は、「戦後60年、初めて世に出る秘録」として高く評価されている。

「美しいひと」は「父と子」「夕映え」「雲の記憶」など掌編をまとめた。読者からは、「短いが読み進むに連れていずれの編も想像外に展開、どっきりする。その裏切られた思いが奥深さを感じる」。柳谷さんは「人はこうして生きています。一粒の涙も微笑もみんなあなたです」と帯に記している。

本紙の取材に「諏訪湖のほとりに生まれ八ケ岳を仰ぎ見て育った。古里を離れて60年余になるが物の考え方、執念のもって生き方は今も信州人と指摘され、自分もそう思う」と話した。

てのひらシリーズ。定価1000円(税別)。

おすすめ情報

PAGE TOP