ニホンライチョウの雌1羽 現在も中アに生息

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国特別天然記念物ニホンライチョウが絶滅したとされる中央アルプスの生息地復活に向けた環境省の現地調査で、半世紀ぶりに昨年発見された雌1羽の個体が現在も生息していることが13日分かった。この個体が冬を越えて定着している可能性が高いとみて、同省などは当初の計画通り、6月の繁殖期に合わせて、雌に乗鞍岳から移植する受精卵を抱かせてふ化させる事業を進める。

同日、都内で開かれた同省の保護増殖検討会で報告された。調査した国際的なライチョウ研究者の中村浩志・信州大名誉教授は中アについて、170羽弱が生息する「乗鞍岳に匹敵する環境がある」と報告。生息地の復活に向けて卵の移植の他に「来年度には乗鞍から20羽を運び、放鳥することを検討したい。捕食者対策が進めば、5年で100個体が生息できるようになるのでは」との見解を示した。

現地調査は、4月下旬から2回実施。5月8日の調査で雪上の足跡などを確認し、ふんを採取した。雌が隠れている岩場を推定したが、個体への影響を考慮して目視確認は控えたという。同省は、人の接近を避けるため詳しい場所を明らかにしておらず、登山者が発見した場合も遠くから見守るように呼び掛けている。

今後は産卵期に向けて雌の巣を特定し、6月上旬に雌が産む無精卵と乗鞍岳から運んだ卵を入れ替える。最大で6卵を移植する計画。20日間程度でふ化し、その後は追跡調査を実施する。担当する中村名誉教授は取材に「チャンスを生かして数を増やしたい。テンやキツネなどの天敵や餌となる植生の調査も進めて今後に役立てたい」と話した。

検討会では南アルプスの保全事業の報告もあり、今年度もひなをゲージに入れる「一時保護」や、捕食者の捕獲事業を継続する。

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