小津安二郎ゆかりの彼岸花 映画祭で球根配布

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茅野市の小津安二郎記念・蓼科高原映画祭実行委員会は、同市郊外の蓼科高原をこよなく愛し晩年の仕事場にした小津安二郎監督(1903~63年)の精神を次世代に伝えていこうと、小津家ゆかりの彼岸花の球根を配布する新規事業「彼岸花プロジェクト」をスタートさせる。

13日には、富士見高校園芸科の2年生4人と引率教諭1人、映画祭実行委次の世代を創る委員長の八幡香さん、市職員2人の計8人が千葉県野田市を訪れ、小津監督のめいの小津亜紀子さんから、肥料袋10袋分の彼岸花の球根を譲り受けた。

実行委によると、球根は小津監督の弟信三さん(故人)が大切に育てていたもので、亜紀子さんの自宅の庭にあったものを掘り起こして持ち帰った。作業には亜紀子さんも参加し、生徒たちと一緒に汗を流したという。

生徒たちは「一つでも多くの花を咲かせて(天国の)小津監督に見てほしい」と意気込みを語り、亜紀子さんは「大切にしていたものが広がっていくことがうれしい」と喜んでいたという。

大半の球根は同校で生徒たちが育てる。順調にいけば9月上旬にも開花する予定で、写真を撮影し、9月21~29日に開催予定の第22回映画祭で展示する。球根の配布はプレイベントで昨年も実施していることから、一般からも彼岸花の写真を募り、会場を彩る計画だ。一部の球根は、映画祭期間中に上映を検討している小津監督の映画「彼岸花」の来場者に配布するという。

実行委は「生徒たちが植物の栽培を学ぶとともに地元の映画祭に関わる機会になれば。小津家ゆかりの彼岸花を通して広く『小津』を知ってほしい」と期待している。

映画「彼岸花」(1958年)は小津監督初のカラー作品で、有馬稲子さんや山本富士子さん、久我美子さんら当時の人気女優が出演している。脚本は小津監督と脚本家の野田高梧氏。2人は56年の「東京暮色」から脚本執筆の場を蓼科高原に移しているが、彼岸花は里見弴さんの原作小説と同時進行という特殊事情があり、湯河原温泉の中西旅館で執筆された。

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