2019年5月15日付

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悲惨な交通事故の報道を見ると気がめいる。被害者が子どもだと痛ましさは一層だ。滋賀県大津市で8日、保育園児の列に車が突っ込んだ。事故は幾つかのことを教えてくれる▼東京・池袋で暴走した車が母親と幼い娘をはねれた事故から20日とたっていなかった。ショッキングであっても自分の身に降り掛かっているわけではない出来事を、己への戒めとするのは難しい。大津の事故が起きた2日後には、愛知県西尾市で母親と男の子がはねられた。間もないうちでさえ事故が続いたということは、教訓を一過性のものにしない困難さも思い知らされる▼大津の事故で衝突した車を運転していた女性のうち、一人は「相手が止まってくれると思ったが右折してきた」、もう一人は「前をよく見ずに右折した」と話したという。つまり車は人が操作しているのであって、ルールやマナーでは止まるはずの場面でも止まらない可能性があるのだ▼諏訪市の103歳の有賀清晴さんは99歳まで運転していたという。娘さんから何度も「危ないからやめて」と言われても聞かなかったが、ある時「安全運転だがのろのろで、周りの車に迷惑を掛けている」と自覚し、ハンドルを握るのを終わりにしたと話を伺った▼有賀さんに限らず誰も、車を運転することは何らかの迷惑を社会に掛けていることになる。運転する時はいつも、有賀さんのようにそのことを自覚したい。

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