2019年5月19日付

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ちょっと長い休みがあるとたちまち捨て場の無いごみであふれかえる。人間社会がいかに大量のごみを排出しているかを痛感する。2015年の日本の年間ごみ総量は約4487万トンで1人当たりでは毎日約1キロのごみを出している。ごみ処理は避けては通れない問題だ▼大量生産、大量消費でものがあふれる世の中。いつからかごみ処理に悩まされるようになった現代人だが、鎖国にあった江戸は輸入には頼らず、国内で食べ物もエネルギーも自給自足していた時代。捨てるものすら大切に使う生活を送っていた▼そんな江戸時代には今ではほとんど見られなくなった商いがあった。穴が開いた鍋や釜などを修理する「鋳掛け」、割れた陶器を修繕する「瀬戸物焼き接ぎ」、落ちている紙を拾って売る「紙屑拾い」。人の排泄物ですら貴重な肥料として売り買いされていたのだ▼ものがないからものを大切にした時代。当時、人口世界一の都市だったと考えられている江戸のまちはリサイクルやリユースの先進地で、究極の循環型社会を実現していた。そんな江戸時代に学ぶ動きが出てきている▼同じものを長く使い続ければ、成り立たなくなる商売もあり、経済の発展も鈍化するのかもしれない。しかしものを大切に長く使うことは、資源や環境保全の面からみればきっと必要であるはずだ。ものに愛着を持ち、少しでも長く使えば少しはごみも減るだろう。

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