シカ柵の有効性は 霧ケ峰高原研究会がシンポ

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霧ケ峰のシカ柵の効果などを報告したシンポジウム

霧ケ峰高原におけるニホンジカの柵対策の効果などを調査する任意団体「霧ケ峰高原研究会」(小山明日香代表)は20日、シンポジウム「霧ケ峰シカ柵研究の最前線」を諏訪市の県諏訪合同庁舎で開いた。霧ケ峰環境保全団体や一般市民ら約50人が参加。これまでの2年間の調査結果を一般向けに初めて発表し、ニホンジカの食害に対する柵の有効性などを説明した。

同研究会は国、県、大学の草原生態の研究者ら6人で構成している。国内有数の面積を有する草原「霧ケ峰高原」に設置されている柵の総延長距離は約15キロ。植物・昆虫の保全にどれだけの効果があるのかを科学的に解明しようと2017年4月に会を発足させた。

東京大学の内田圭助教の調査では特定のエリアを指定し、咲いている花を目視で数えたという。「ニッコウキスゲだと柵外に比べ柵内は約300倍多かった。ほかの植物種にとっても良い影響になっている」と述べ、柵の効果を解説した。ドローン(小型無人機)調査も行い、「霧ケ峰の様子をデジタルデータ化することで、5、10年後どのように変化したのかを知ることができる」と空からの調査の有効性も説明した。

兵庫県立大学の中濱直之講師はチョウなど昆虫への影響について調べ、「霧ケ峰の素晴らしい生物多様性は柵の設置によって守られている」と報告した。同会の代表で森林総合研究所(茨城県つくば市)の小山主任研究員は「シカ柵の成果を普及させることは重要になってくる」と話し、さらなる調査に意気込んでいた。同会では今後、成果を論文にまとめるとしている。

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