シルクで再生医療材料 蚕糸博物館で講演会

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再生医療材料開発とシルクの関わりを解説する中澤靖元准教授

岡谷市の岡谷蚕糸博物館で25日、東京農工大学大学院工学研究院准教授の中澤靖元さんの講演会「挑戦する繊維」が開かれた。人工血管や心臓修復パッチなど、シルクを素材とした再生医療の材料の開発について解説。参加者は最先端の再生医療とシルクとの関わりに理解を深めた。

中澤さんは、特殊医療用繊維を用いた医療機器の一つとして人工血管を挙げて説明。象牙やガラス管が使われた初期から、ポリエステル繊維、フッ素樹脂と、人工血管の素材の開発が進んだ歴史を紹介。それでも石灰化や成長性の欠如などの課題があることから、「新たな再生型の人工血管材料が求められている」と解説した。

再生医療に必要な要素の一つ「足場材料」は、細胞の分化・誘導を促進して組織を再生させる足場となる材料。生体に優しく、適切な強度・分解性がある材料が期待される中、中澤さんの研究は、シルクの主要成分であるタンパク質「シルクフィブロイン」に着目。シルクを水溶液に戻してから繊維状態にすることで、スポンジやフィルムなどに形を変えて足場材料になるといい、応用例を紹介した。

同館で開催中の企画展「挑戦する繊維―シルクを超えられるか」の関連イベント。同展は、2017年度に同館と連携協定を結んだ東京農工大学科学博物館との連携記念企画展として開き、進化を続ける天然繊維や化学繊維を紹介している。6月23日まで。

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