2019年5月28日付

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「個人的な思いなので、誰にでも当てはまることではないと思いますが…」と前置きした彼は「実家からちょっと離れていて、でもあまり遠くない場所で働きたい」と答えた。飯田市出身の学生だった▼先日、伊那市内で行われた来年3月の大学・短大・専門学校等卒業予定者を対象とした上伊那地区企業説明会でのことだ。来ていた学生らに、仕事選びのポイントを聞いてみた▼「長野県の南の方に就職したい学生へ!」。伊那・諏訪・飯田商工会議所内に事務局を置く職業安定協会や労務対策協議会が、こんな呼び掛けで3地区で行われる企業説明会等の情報発信を始めたばかりだった。飯田市出身の学生が上伊那で仕事を探すきっかけになったとすれば、新卒者の南信地域への就職を促すための取り組みがうまくいったのかもしれない▼全国的な人手不足により学生優位の「売り手市場」が続き、地方の新卒採用は苦戦を強いられているそうだ。「理系の学生との接点がなく人材確保は去年より厳しい」と明かす電子部品製造業の人事担当者の話からは、深刻さが伝わってくる。広域的な情報発信が光になればいいと思う▼彼にしてみれば、実家とのちょうどいい距離にあり、風景や暮らしがあまり違わない上伊那は地元同然なんだろう。「古里就職」とはいうけれど、「地元」とか「古里」というものは人によって考えている広さが違うものだと感じた。

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