スマート農業の効果確認 伊那で初の実演会

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ドローンによる水田への除草剤散布を見学する参加者

県や伊那市、信州大学、JA上伊那などの12機関でつくる研究チーム「信州伊那谷スマート農業実証コンソーシアム」は27日、同市東春近の農事組合法人「田原」の経営ほ場で、2年間かけて進めるスマート農業大規模実証実験の第1回実演会を開いた。全県から150人余りが参加。ドローンを使った水田への除草剤散布や、直進キープ機能が付いた田植え機の作業を見学し、先端技術による作業効率化やコスト低減効果を確かめた。

除草剤散布ではまず、同法人の中村博組合長が背負い式の動力散布機で、苗植えを終えた水田に除草剤を散布。あぜから届かない場所は田に足を入れてまいた。

続いて、粒剤を入れる大容量タンクを搭載した農業用のドローンが登場。チームに加入する大手農機メーカー「クボタ」の担当者が操縦し、あっという間に除草剤の散布を終えた。同社によると、30アールに3キロの粒剤をまく作業は3分程度で終えられるという。

直進田植え機はGPSの位置情報を活用。不慣れな人でも真っすぐ植えられ、熟練者にとっても労力が軽減できるという。水稲栽培の省力化とコスト削減を狙いとする「高密度播種」をした苗箱を積んで走行。オペレーターが手を離しても曲がらずに進んだ。

国の事業に採択され、中山間地の稲作経営で先端技術を駆使した場合の効果を探る目的で実施。スマートフォンと自動給水栓で水の見回り労力を減らしたり、ドローンの空撮画像から水稲の生育状況や肥料の状況を解析したりする実証も行う。

実演に先立ち、丸山秀樹・県農業試験場長は「担い手の高齢化が進む中で、生産性を維持する必要がある。春~秋の作業を体系的にスマート化して効果を生み、各地域に広げていきたい」。実証経営体となる「田原」の中村組合長は「先端技術の導入には課題もあるが、農業や経営体の将来を明るい姿にしたい」と意気込んだ。

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