名碗「障子」初公開 サンリツ服部美術館で7月

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国宝茶碗「不二山」で知られる江戸時代初期の書家・陶芸家、本阿弥光悦が残した傑作茶碗「赤楽茶碗 銘 障子」が、7月6日から諏訪市のサンリツ服部美術館で展示される。光悦の代表作をまとめた「光悦七種」の一つだが公開されたことがなく、文献のみで知られていた逸品。釉薬が覆う3本の亀裂から、薄明かりが透けて見えることで命名されたといわれる”幻の名碗”だ。茶会記録にたびたび現れるものの、大正時代の資料に白黒写真が掲載されているのみ。初めての一般公開となる。

書家の光悦は茶人でもあり、茶道を極めるために茶碗も自ら制作した。その優れた作品群は国宝や重要文化財に指定されており、いくつかの代表作は「光悦七種」などと総称されてきた。

障子もその一つで、明治、大正、昭和初期と日本経済の草創期に三井財閥を支えた実業家で茶人としても知られる男爵、益田孝(号・鈍翁)が所有していたことでも知られる。大正時代ころ編さんされた「大正名器鑑」には鈍翁の手元にあった時の白黒写真などが掲載されているといわれている。その後、1956(昭和31)年の光悦会の茶会記に記録が残るのを最後に、文献にも見られなくなった。同美術館では近年になって個人からの寄贈を受けたという。

茶碗は、高さ8.8センチ、口径11.7~13.5センチ、高台径6.1センチの赤楽茶碗。口縁から高台にかけて大きな火割れがあり、腰の部分の3カ所の裂け目には透明釉がかかっている。

色合いがわかるカラー写真も今回初めて公開されている。

同美術館では、7月からの特別企画展「茶人に愛された数々の名碗」のメインとして国宝「不二山」とともに約3カ月間展示する予定。「写しが制作されるほど名が知られた茶碗。貴重な機会。名前の由来も確かめてほしい」としている。

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