2019年06月04日付

LINEで送る
Pocket

栄養素たっぷりで「飲む点滴」とも称される甘酒は、暑気払いの飲み物として江戸時代、庶民の間に広がった。俳句では夏の季語。米、こうじ由来の自然な甘さがバテ気味の体にうれしい▼上伊那や諏訪でレトロな雰囲気の甘酒の移動販売車に出合った方も多いだろう。白鳥杏奈さん(27)=辰野町=が営む「甘酒屋アンズ」だ。地元の米とこうじで手作りする、飲みやすくおしゃれな甘酒が人気を集める▼名古屋の調理師学校を卒業して帰郷した。人の温かさや農産物の豊かさ。都会に出て認識できた古里の良さがあった。スーパーの仕事を経て移動販売の甘酒屋を起業。辰野の食材で作った甘酒を飲む機会があり「おいしさに衝撃を受けた」ことがきっかけだ▼進学などで県外に出た若者のうち、女性のUターン率は特に低い。キャリア教育に積極的に協力し、古里での仕事のやりがいを伝える白鳥さん。県主催のシンポジウムでつながったのは上伊那農業高校。甘酒づくりを学びながら地域活性化への活用法を考えるイベントを生徒が企画した▼辰野町下辰野商店街にきのう、白鳥さんら上伊那の女性4人が共同経営する飲食店「フジタヤ」がプレオープンした。空き店舗を改装・シェアし、地元素材を使った甘酒やカレー、総菜などを提供する。中高生も足を運んでほしいと願う。女性たちの仕事に触れ、語らえば、古里の見え方がきっと変わってくる。

おすすめ情報

PAGE TOP