2019年06月09日付

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気のせいだろうか。ここのところやけに高齢者による重大交通事故が耳目に触れる。政治家の失言と張り合うように、新聞やテレビのニュースでは報じない日がないほどだ。失言は本人が恥をかくだけだが、交通事故は無関係な人たちの命をも犠牲にしてしまう。はやりもののように発生しているが、早い終息を願うばかりだ▼印象では、高齢ドライバー(75歳以上)の死亡事故は増加していると感じていたが警察庁の調べ(2017年)によると、実は増えてはいない。12年が462件で17年は418件。経年比較ではむしろ微減の状況だ▼問題は、年齢層別の死亡事故件数(免許人口10万人当たり)が、75歳以上は平均7・7件と75歳未満の平均3・7件を大きく上回っている点か。事故件数全体は減っているのに、重大事故が多いとなれば、高齢ドライバーの印象も悪くなるばかりだ▼しかも、「踏み間違い」や「逆走」「暴走」など高齢ドライバーの事故には、後ろ向きなキーワードが多用され、ますますイメージは悪くなるばかり。早期の免許返納を求める声も出始め、肩身の狭さは今が頂点か▼ただ免許返納も、個々の事情に寄り添えば強くも迫れまい。身分証明や買い物難民など、生活に支障が出るのは明らかだ。高齢者が進んで免許を手放せ、どの世代にとっても住みよい地域を、皆で思い描いてこそ、今ある課題解決の近道と思えてならない。

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