中アのライチョウ 5年前から生息か

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国特別天然記念物ニホンライチョウが絶滅した中央アルプスの駒ケ岳で、昨年確認された雌1羽とみられる個体が5年ほど前から生息していた可能性があることが、環境省に寄せられた情報提供などで分かった。同省は、中アに生息環境がある裏付けになると指摘。駒ケ岳から離れた中ア空木岳で足跡を捉えた写真もあり、同省は今後、駒ケ岳だけでなく広域的な繁殖計画を検討する。来年度事業として乗鞍岳から数十羽を中アへ運ぶ計画が検討される予定で、生息地の復活がより現実味を帯びてきた。

同省によると、新たに確認した情報は2件。2015年夏に撮影されたとみられる映像には、駒ケ岳付近で雌が高山植物をついばむ様子が映る。空木岳では15年11月、雪上にあった足跡を塩尻市の男性が撮影。今年5月に同省へ情報提供があった。

ライチョウの雌は、生まれた年の冬に広範囲で移動する習性があるといい、映像や写真を確認した国際的なライチョウ研究者の中村浩志信州大名誉教授は、現在生息する雌と同じ個体と分析。14~15年の冬季に中アへ移動し、年齢は5歳程度と推定した。

駒ケ岳周辺には昨年度からの調査で、七つの縄張りが確保できることが判明。過去の研究では、駒ケ岳から空木岳周辺までに34縄張りの85羽が生息できるとの調査結果もある。同省は、広範囲にわたる中ア一帯を繁殖可能な山域とみて、植生やキツネ、テンなどの捕食者の調査を進める。

9日、長野市内であった会見で中村名誉教授は「中アには十分な生息環境がある」とし、5年で100羽が生息できるようになるとの見解を説明。同省信越自然環境事務所(長野市)の福田真・希少生物係長は取材に「来年度に向けて専門家とともに検討を重ねていきたい」と話した。

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