霧ケ峰のニホンジカ食害 忌避剤の実験開始

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ニッコウキスゲ生育地に設けた試験区内に忌避剤を散布する関係者

ニッコウキスゲ生育地に設けた試験区内に忌避剤を散布する関係者

ニホンジカによる草本植物の食害対策で、県は22日、諏訪市郊外の霧ケ峰・蛙原(げえろっぱら)に設けた試験区で、樹木保護に用いられているシカ忌避剤をニッコウキスゲに散布して花芽を守れるかの実証実験を始めた。事業は2018年夏まで3年間継続実施し、草本植物への忌避効果を検証する。

小和田牧野農協が所有するニッコウキスゲ生育地の一角を借り、8月末までの花期に行う。450平方メートルの試験区内に散布区、何も施さない対照区を設定。2週間に1回を目安に散布し、対照区との食害の差異を確認する。マツムシソウなど他の高山植物も含めて面的に散布する区域も設け、回数や量など条件も変えて効果を検証する。

この日は、県自然保護課の職員、忌避剤製造メーカーの関係者ら8人が参加。粉末状の忌避剤を水で薄め、散布機を使って開花前のニッコウキスゲの株に散布した。メーカーの担当者によると、使用した忌避剤は卵を主成分とし、樹木用として既に農薬登録を受けている。自然や人体への影響はないという。

観光資源でもあるニッコウキスゲや、貴重な草原・湿原環境を守ろうと、霧ケ峰には総延長14キロ余りの防護柵が設置されているが、設置と維持管理にかかる労力や費用が大きいといった課題がある。同課自然保護係の神谷一成係長は「継続調査で有用性が確認できれば、食害対策の選択肢を広げることができる」と話している。

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