天蚕のみ貴重な洋服 岡谷蚕糸博物館で展示

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天蚕から取った糸のみで仕立てた洋服を展示している岡谷蚕糸博物館の体験コーナー

野外でクヌギやナラを食べて育つ蚕の一種「天蚕」を飼育している伊藤よう子さん(67)=安曇野市有明=が、天蚕から取った糸のみで仕立てた洋服の展示会を岡谷市の岡谷蚕糸博物館で開いている。約10年にわたってためた糸を使ったブラウスやストールなど計3着を展示。「天蚕ならではの光沢を楽しんでもらえたら」と話している。7月1日まで。

安曇野市有明地域の特産品である天蚕の飼育は一時期途絶えていたが、復活を試みた義父の影響を受けたという伊藤さん。屋外のクヌギの木に網目の細かいネットを掛けて、虫や動物に食べられないよう気を配りながら、10年以上飼い続けているという。

同博物館に隣接する宮坂製糸所が糸繰りを行い、無染織のまま松本市の業者が和服の反物の幅に織った。洋服づくりの専門店が今冬、伊藤さんのデザインを基にブラウス、ジレ(ベスト)、ストールを仕立て、5月に完成した。サイズはすべて女性用の9号で、伊藤さんの2人の娘のために作ったという。

同博物館の高林千幸館長によると、天蚕は光沢があり、糸が強いのが特徴。一つの繭から取れる糸の量は0・5グラムほどで、通常の蚕から採取できる量の4分の1だという。希少価値が高く、国際相場で1キロ当たり70万円の値段が付く場合もある。

伊藤さんは「自分で育てた天蚕から取った糸で洋服を作ったのは初めて。風合いを生かすためにどんな服がいいのかこれから考えていきたい」と話している。高林館長は「蚕より飼育が難しく、取れる糸の量も少ない。貴重な服を多くの人に見てほしい」と呼び掛けている。

午前9時~午後5時。水曜日休館。入館料は一般500円、中高生300円、小学生150円。問い合わせは同博物館(電話0266・23・3489)へ。

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