観て聴いて調べて半世紀 桃澤匡行さん本出版

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半世紀にわたる研究成果をまとめた桃澤さん

飯島町郷土研究会会長の桃澤匡行さん(87)=同町本郷=が、半世紀にわたる研究の成果をまとめた「郷土の文化あれこれ」を自費出版した。郷土誌の「伊那路」や「伊那」などに投稿してきた短編を中心に、5章69編に整理。数えで米寿を迎える記念を兼ねて、積み上げてきた論考を自身の足跡とした。

副題の「観る聴く調べる」は桃澤さんの研究姿勢そのもの。取り上げてきた題材は郷土の歴史に始まり人物、民俗、伝承、文芸と幅広い。

第4章で取り上げた「駒ケ根市長岡の生前葬」は、旧赤穂村(現駒ケ根市赤穂)の三代目村長、福澤岩夫(1858~1941年)が昭和10(1935)年に行った生前葬の話で、父親から聞いていた盛儀の様子を記した。執筆は2016年。歳月を経て、語る人はもちろん、知る人も少なくなっていたという。「生き弔いの話は父がよく話をしていたものだから関係する人たちにも尋ねてみた。けれど年号も何も、ちっともわからない。当時の新聞をやっと見つけ、書いておかないと…と思った」と桃澤さん。

「思い出の人」には郷土の文化人が名を連ねる。「人脈がすごいっていわれるけれど、たまたまそういう出会いがあっただけのこと。誰かがどこかで書いておかないと…と思って一生懸命書いてきた」と振り返っている。

桃澤さんは飯島町文化財調査委員を26期52年務めた。同町郷土研究会の立ち上げに関わり、副会長を経て、会長に就任してから30年が過ぎた。その間、研究や執筆、編集にも取り組み、編著の「俳人大島蓼太と飯島」は蓼太の出生地論争に終止符を打たせた。大叔父に当たる歌人、桃澤茂春(画名如水)の研究には心血を注ぎ、半世紀にわたる資料収集と探究の成果を全7巻の資料集にまとめ、出版している。

「郷土の文化あれこれ」はA5判、400ページ。4000円。問い合わせは桃澤さん(電話0265・86・2707)へ。

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